2007年12月21日

色々な道具

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大工道具には鑿(ノミ)、鉋(カンナ)、のこぎりと色々あるのはみなさんご存知だとおもいます。この大工道具プロが使う物はどこに売っているでしょうか?あまり知られていませんね!!
まさかプロの職人が使う道具がホームセンターで購入なんてありえない話
我々がホームセンターのノミやカンナなんて使用したらノミなんかあっというまにヘの字に曲がって刃先はボロボロになってしまいます。なぜか?やっぱりプロが使う道具は昔からある鍛冶屋が昔ながらのつくり方で作っているので職人の激しい使い方にも十分耐えます。
前置きが長くなりましたが、そんなノミの昔からの造り方に疑問を唱え電子顕微鏡などで科学的根拠を突き詰めた一人のノミ鍛冶さんがいました。
1年ほど前に清水の有名な大工道具店に足を運んだとき10年ほど前から置いてあるノミに目が行きました。大工の世界では伝説な東京左市弘作のノミでした、聞くと現在日本でノミを作らせたら最高のノミ鍛冶名人だそうです。
自らの経験と焼き入れのタイミング、温度と カンに頼ってきた技術に科学的根拠を見つけ常に研究をつづけた方だそうです。
しかも研究をはじめたのがかなりの年配になってからなんだとか!!
まさに職人の中の職人!!
何よりこのノミは1番小さな1分(3ミリ)ノミが美しい!!
見事なデザインというかライン!!!そして繊細で細く力強い!! 
写真でもわかる通り3ミリの刃先にもしっかり奥までハガネが入っている(刃先がコの字に形になっていますよね)のがよく分かる。
そして裏もすごい仕事がしてある、今はほとんどグラインダーで裏にくぼみをつけているので浅いが、この方は昔ながらのセンという道具で裏をシャクルから細く深い!円形のグラインダーにはできない芸当 みごとです。
それから2ヶ月後ネットで道具を見ていると、左市弘さんが亡くなったと書かれていました。
兄弟で作っていたようですが、後継者はなく弟さんはお兄さんと工程を分けて作業していたこともありもう作ることが難しく廃業したそうです。
とても残念なことです
そんなこともありせっかくの道具ですがまだ使用していません。
どんな道具も同じですが使い手も道具を使わせていただく心がまえと決心が必要!
私ももう少し修行を重ね今ならと言うタイミングがあれば使用したいがもしかしたら今5歳と3歳の息子が大工になって物になったら出そうかな?
現在は家に置いとくのも怖いので友達のセキュリティー完備の倉庫屋さんに預けてあります。
いつか使用できる時が楽しみです。

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