2011年07月24日

800キロの旅完結

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みなさまこんにちは!!
先月から書いてきました800キロの旅も今回が最後となります。
建具品評会を後にした棟梁はもう1度高速にのり20分、世界遺産の白川郷によってきました。
1度行ってみたいと思っておりましたが中々これず時間も3時を過ぎていましたが
今回を逃したら・・・と思いいきました。
ご覧のように茅葺屋根の集落が並ぶ・・・
よくもまぁその昔こんな建物を手上げで造ったものだ!!
そんな見方から入ってしまった私・・・
集落にはみんなで協力し合う 結び といわれる伝統受け継がれており、建物などを建てるときは村人総出で協力しあい建てるらしい
費用は少しのお金と米などで交換条件で建物は建てていたそうな?

しかし白川郷というトコはもう田舎ではなく和風都会である、ディズニーが洋のテーマパークなら白川郷は和のテーマパーク?
乗り物はさすがにないが、ほぼ8割の合掌建物が商売をしている、旅館、お土産屋、食堂・・・漂ってくるのは飛騨牛串焼きの香り・・・やラーメンのにおい・・・
そして私もその1人ではあるが人 人 ヒト・・・
かろうじでいないのが ポン引き!!くらいだ・・・
写真でみる白川郷日本の田舎の面影は一切なく、みせるための施設・・・
この写真だってもうチョイ横はお土産屋が入るので撮るのに左よって撮った。
なんだここは・・・もう30年前に来たかった・・・
高速で12キロの長いトンネルを出てやっとたどり着く本来は秘境中の秘境・・・
出来れば道なんか整備しないでそのままでいてほしかったというのは私だけだろうか?
帰り道、地元富士山周辺の世界遺産登録はなくてもいいのでは?
そっとしておいてほしいなって思いました。
世界遺産になっていい話って聞いた事がない、屋久島もそうだよね、見世物にして
商売になりその場所の本来の姿がなくなり終わるだけ・・・悲しい末路への入り口?

地元は潤うのだろうが これでいいの?
富士山は日本の宝だけでいいですよ・・・
始めて世界遺産に行ってみて世界遺産の価値って疑問を感じた。
登録後ゴミなどの環境問題で騒がないことを祈る・・・
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そんな合掌造りにもやっぱそうだよねってことは沢山ありました。
この日は梅雨の大荒れの天気、山の中の秘境なので雨がものすごい降り・・・
窓から顔を出すと、靴がずぶ濡れになる風雨の中、ケラバ方向の屋根軒の出のおかげでほとんど雨がかかっていないことに気がついた、
屋根流れ方向なら当たり前なことだが、合掌のようにケラバ方向も軒の出がある
建物は雨に濡れない・・・
ここでも軒の大事さを知る、日本の住宅はデザインで建ててはいけない、この合掌造りがもし!!
軒の出一切ナシの建物だったら・・・(見てみたいが・・・)
白川郷は現在まで残ってはいなかっただろう、
先日も打ち合わせでそんな話になった、みなさまも軒のあるないをよーく考えてみてほしい、カッコいい洋風もいい!!和でいこうなんていわない軒は付けましょう。
軒って建物より出た部分だから人でいうぜい肉と同じ、軒ゼロだと有りの住宅と比べかなりコストダウンになる、無駄を省いているってこと、これって業者側の都合ではないのですか?
おまけにパラ立ち上げて作って屋根はセッパン屋根なんて今あるが・・・
究極だ・・・どうしても出来ない金額ならセッパンでもいいが、セッパンなんて事務所の屋根材料だぞ・・・うちの作業場のひさしの材です 
もちますがね・・・雨の日うるさいし暑い・・・
軒の重要性は何度も書いてますが雨の日に傘持たないで出かけますか?
家にも傘持たせてやってよ。
今回の旅では30代の職人が各賞を総なめにしていた、
私はこれがうれしくてたまらなかった、20代は経験を積み30代からはその経験を生かした実績をつまさせていただく時だと考えておりましたが、その30代の建具を職人のすごさをまじかにみて 同世代の私ももう少しがんばらなくてはと良い刺激を受けた今回の旅でありました。
全国っ区ってすごいな?
私もいつかせめて富士で大工らしい仕事するのは小笠原建築だよって言われるようにがんばらないと 建具屋のよっちゃんに笑われてしまうよ・・・
話がローカルではありますが・・・
ではまた次回!!

2011年07月21日

玄関天井

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こんばんは!!
先日玄関の勾配天井作りました。
外部の土庇の延長線にある玄関は同じ丸太路線で行きながら、面材料は内部なので変えてみた。
仕事的には外部庇と変わらない丸太加工仕事
こうかくと誤解されるが内部なのでイロイロ大変でさらなる超シビア仕事となる。
丸太に丸入れて掘り込んだり、大工らしいといえば大工らしい仕事
たぶん天井全体ですき間は髪の毛1本分も入る空きはないと思う。
毎日シビアな仕事してるつもりではありますが・・・時間かかりますね?
そんな仕事をしていると施主様がやってきた、1時間ほど話しながら仕事中・・
そこで小笠原さん!!こういう仕事しないでハウスメーカーさんと同じ様なつくりにしたらこの家もう終わってる?
と聞かれた。
上棟してもう一ヶ月半以上、34坪で平屋・・・そんな貼り付け仕事でよければもうとっくに終わっているでしょう!!
間違いなく大工工事は終わっている、玄関天井だけでも通常のクロス仕様と比べたら制作時間は10倍ではすまされないほど手間と時間がかかっている。
ここで手間代も10倍になってくれれば大工も捨てたものではない・・・のだが・・・
2倍にもならないですね・・・(みんなで笑い)
ドラゴンボールの界王拳でも使おうか?・・・20倍ダーッ・・・アホか・・・
こういうシビア仕事が好きな職人は大工仕事が趣味にしなくてはだめだろう?
そうだよなー?短編的にみるとひとつひとつの部材制作に半端なく時間かけている
そういえば最近世の普通の仕事をしたことがない、PBなんて貼り方忘れたよ・・・
ここ数現場でPB1000枚あったとして私が貼ったのはいったい何枚?
造作マシンだな最近・・・
明日は横浜まで仕入れに行きます。
いいもの発見したらまたお知らせします。
そういえば800キロの旅の話がまだ完結していない、ソロソロ次回あたりでお話します。
それではみなさん ごきげんよう??
また次回!!

2011年07月11日

土庇完成しました。

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こんばんは!!
最近ブログも1週間に1度のペースですみません。
ここの所事務仕事が多くまた打ち合せも最終にきている物件も多く時間が作れず
書けませんでした。
でもこの一ヶ月で3件のご契約を頂きました。
みなさまのご期待にそえるようにがんばりたいです。
さて現場では丸太加工も終わり、プチ上棟した土庇工事が終わっておりまして、
この暑い日差しを窓きわでシャトアウト!!
土庇いいですねーここにデッキでも作ってごろ寝して過ごせば昼間の暑い時間でも夏の夕方の風が吹く・・・涼しい・・・
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洋風住宅もいいですが、こうみると和風住宅も捨てたものではないでしょう?
最近はマッチ箱みたいな家に押されてついついマッチ箱型住宅に行ってしまうみなさま・・・
こんな軒のある風景も捨てたものではないですよ?
えっ?どうせお高いんでしょ?ってお思いのあなた!! 
常にこんな庇作っている大工さんなら、簡単なはず?
なれているから早いしお値段も非常に安いと思いますよ?
加工から土庇完成まで1人で1週間ほど・・・後は材料費 高いわけがない・・・
さすがにココでは金額は書けませんが、お問い合わせいただければ教えますよ。
ちょっと和よりの洋風住宅に土庇つけても合いますよ。
みなさんはこういう住まいってあまり世(見学会)に出てこないから見たことがないのですよね?

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今回は毎度おなじみの高気密高断熱住宅です、数奇屋風で高断熱って難しい面も
ありますが当社では8年前から作ってます。
外断熱でも施工は可能です。
夏は土庇で涼しく、冬は高断熱で暖かく・・・新しい季節対応型住宅?とでも言いましょうか?
言い過ぎか・・・
断熱工事は終わっているせいか沢山の現場周りの営業さんが来てはここは暑いが他より涼しい現場ですねって言われます。
ここんとこ内部工事に入りまして明日からは床をはります。
外部と調和した玄関 廊下周りはこれから造りますが自分でも楽しみ!!
和風(木の家)な住まいっていいねっ!!と思う
ではまた次回!!


2011年07月04日

丸桁加工

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こんばんは!!
先日から加工をはじめていた丸桁でーす。
丸太って墨出しが普通の角材と違いましてまず小口に水平垂直を決め書きます
その後もう片方の小口にも同じ用に水平垂直を書きますが、このときにねじれもみないと左右小口で水平垂直が合わないです。
難しいですが目がいいとねじれが簡単に出ます。
あとはホゾが入る場所を決めノミで掘ります。
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写真は丸桁に入る丸柱です、丸桁の肌の形に丸型ノミを使い合わせて行きます。
丸桁が凸凹していると大変です。
なれないとピタリ柱が桁に付きません、シビアな仕事ではあります。
丸太仕事は基準の墨を頼りに加工して行きます。

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丸桁加工と柱がうまく入りプチ上棟を終えるとある一点を決め今度は写真のように
丸太の垂木材(斜めの木)を決めていく、このとき丸太の根っ子(元)と木の上部(末)では丸太の太さが違う、今回のように7mを超えてきますと元と末では5センチほど直径が違ってくるので、丸桁水平線を決める最初の段階で垂木材が元に乗ったとき垂木が太い元の丸桁にめり込まないように末の上に乗せた垂木の高さとのバランスをみておく、あまり元と末で直径が変わるような元オチ材だと仕上がると元の方がやたら
下がって見えてしまうので、注文の際に元オチも選択する。
文で書くと書いてる私もさっぱり解りませんが、ようは考えながらやりなさい丸材は
ってことです。
先、先のこと考えていかないと丸材は後行って はまるかもしれない・・・
垂木が乗れば後は簡単、すべてで水平垂直が出ている、垂木上も勾配付きだが基本は平ら、やれやれと水貫きと木小舞をまわし仕上げに面材を貼るだけ・・・
息抜きが出来る瞬間だ・・・がしかし仕上げの面材は俺が貼るとオヤジさんの出番!!
シビアな仕事してきてリラックスできる面材貼り仕事なのだが、私の役目はここまで・・・
面材貼りはオヤジに任せもうひとつの下屋根右側7mの丸桁加工に移る私・・・
不ぞろいの木あわせていくのも大工らしくていい
あまりある仕事ではないが、ないからこそ志願してやる、角材の値段で丸材やったっていいではないか?
あまりない仕事こそ 自分で道は作るのだ。
完成した後なんともいえない味が丸材にはあります、完成した下屋みて他の職人はみな うっとり・・・いいですねー  
今回は面材に隠し味を使ったからよけいきれい・・・
日本の軒先は実にきれいだ!!
高級旅館に負けていない!!この軒先がついた部屋なら一泊五万はするぞ!!
完成写真はまた今度!!
ではまた次回!!


2011年07月03日

下屋根工事やってました

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こんばんは!!
熱いですね~毎日毎日・・・
今回は建具研修会の話はお休みで続きはまた今度書きます
さて現場は進んでおります、先週末時点で南側の下屋根工事がほぼ終わり
今週小さなきりよけ付けて、付け桁まわせば大工工事外部はひとまず終わります。
次回からはこの下屋根制作の模様もお伝えします。
京都北山より送られた7mと6mの磨き丸太(桁材)と丸鷹垂木が組み合わさりとてもきれいに仕上がった下屋根・・・
現場近所では今この下屋根(庇)が じいさん ばあさんの観光スポットとなっているようだ。
制作の様子はまた次回!!
ではまた!!


プロフィール

小笠原紀和 大工暦18年

小笠原紀和

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