2008年08月31日

ムギワラ帽子と軒の出

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お盆休みに暑い日、休み明けの仕事のことを考えるとひとつ問題をみつけた。
ここ数年は幸いにも真夏に上棟を行っていない、たまたまでしたが夏は内装仕事で
お日様の下で仕事はなかった
ということは真夏の暑さになれていない これはまずい!!と考えるた。
そこで思い浮かんだのがムギワラ帽子でした、360度すべてに広がるツバ!!
家でいう軒先だ
かぶっていればどの方向からもその恩恵にあやかれる。無駄のないデザイン!!
普通の帽子では首の後ろなどが日焼けしてしまい 暑さでダウンしてしまいかねない
下向き仕事には普通の帽子は不向きです
さすがムギワラ帽子、土台作業の日はとても暑い日でしたが肩のへんまで帽子が暑さを和らげてくれて、涼しく作業できました。
問題は見た目でしたが・・・ 2人で広い分譲地にムギワラな2人 怪しかったです
近年は家の軒先は出さないが主流になった 確かに私も見ていて軒がないほうが洋風はいいなと感じるときもあるし、作業していてバランスをとるときにそう思うときがあります。
でもある本に当たり前なことですが、家が長年にわたって受ける影響を和らげ、家が長持ちさせるためにはやはり軒先は重要と書いてあった 納得です
私が思うことは辛口ですが家は車のように動いたり自分から何かするものではないので忘れがちなのですが 数十年間汚れが付こうと洗車?もされず外部にワックスもくれてもらわずひたすら悲鳴もあげないでがんばっているのです。
車なんて2週間もすればご覧の通り真っ黒ではないでしょうか?
ためしに車を1年洗わないで放置したらもう手遅れ?家は最低25年くらいは無放置でがんばっているのでは? 汚れは汚れを呼んでしまうのにエライぞ!!家!!
家洗ったことある人なんて聞いたことがない。家は何にもいわず見た目も感じることなく毎日雨の日 風の日 砂ホコリの日もがんばっています。
そんな家のことも考えると雨風から外部を守り太陽の熱をさえぎって壁内部の温度を上げない軒先はとても大事!!
もちろんこれによりエアコンの温度設定も下げることができ、結果省エネにも貢献できると思います。
ムギワラ帽子からサイド考えさせられたことでした。
おっと!!今日は日曜日午前は打ち合わせに走る
そうだ!!隊長の嫁さんから車が汚いから洗っての指令が!!
今日も宮尾すすむのように はいっ!!はいっ!!と指令にまい進する私である。
ではまた次回!!


2008年08月27日

暑さ対策

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町屋風の家上棟も終わりひとだんらく、日に日に出来上がっていきます。
今回は屋根がめずらしく板金素材の屋根ということで、いろいろと暑さ対策を取り入れました。
板金屋根にて工事を行う場合、地震対策で軽さばかりに目が行く方が多いですが
普段の住まいでは今年のように暑い夏に 屋根裏にかかる負担を軽くしその下の住まい部分に影響が出ないようにしたいと考えます。
あと忘れてはいけないのが音対策!!雨が降り出すとコンコンカンカンとにぎやか
深夜の雨なんか音対策していないと寝れないそうな
でも今回の和風住宅で板金屋根となると困ったことがひとつある、それは軒の厚みである。
板金屋根ではやはりスッキリ見せたいので軒先の横木(水抜き)を一段にしたい、
しかしここに問題が発生する 軒先厚み約24ミリの中にエアが通る道25ミリ以上と屋根材12mm仕上げ材8ミリを入れなくてはならない、事実上無理
一段でも厚みを大きくすれば問題はクリアーできるが、これでは田舎の大工仕事 芸がなさすぎ 板金屋根のスッキリに対してはナンセンス?ブッブッーーだ!!
そこでどうしたか基本的に建物の外に出る軒先は一般的に外と考えられる、これは外断熱や高気密の家も同じ考え方だ 
そこで外に出る軒先と建物内部に来る屋根材骨組みの高さを変え、内部の骨組みを必要分下げる そして最終的に外部と内部の高さがそろうようにする。
言葉では簡単ですが化粧仕上がりになる和風屋根、また屋根上では動きが限られるので大変な工事 おまけにむくり屋根なのでダブルパンチ!!
ところで写真のイロ男はいつも来る鈴木板金さんの息子さんでキヨミ板金さん
実は私とは小中学生時代の同級生 今燃えに燃えている板金屋だ!!
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今回は写真の白い部分裏側に通気用のシートの表面にアルミニウムを吹き付けた素材のシートを屋根材の間に入れ込んだ。
なぜアルミか?アルミは暑さの原因の赤外線を跳ね返すって皆さん知っていました?
このシート表面のアルミ部分が暑さの原因である赤外線を跳ね返し、シート上にできている通気層から風に乗り?屋根山頂にある換気口から外に出る。
これらで対策ナシと比べ5度以上涼しくできる、夕方や夜になると熱がこもらないので体感の差はもっと広がると思う
最近は?断熱プラス遮熱が主流になりつつある、ただし難点はこのシート高すぎ!! 
お値段をもう少し跳ね返していただけるとうれしいです。(遮金?なんちゃって)
一年中この動作が繰り返される、これらで建物全体ににかかる熱負担を減らし木が長持ちする家イコール住みやすい住まいにしていく。
さらにうれしいことに最近熱対策に遅れていた板金素材メーカーが各社横に手を組み素材と色を統一!!これによりやはり素材の裏側に遮熱対策塗装を行った物に変更になった。これで5度以上涼しいらしい、こういう企業同士の対策はうれしいことですね。
あとはこれから行う断熱工事にて音対策とさらに断熱対策と続く。
明日からは1階屋根工事にとりかかる、少し凝ったつくりにしたので時間がかかる
西日が熱いのでヘルメットの外にアルミシート貼って遮熱しながら行おうと思っています。 次回もお楽しみに!!

2008年08月23日

祝上棟!!

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今日は上棟の日、朝は少し小雨がぱらつきましたが、大きく崩れることなく上棟となりました。
8月のピーカンに上棟より、これくらいの天気のほうが仕事もはかどるし、上棟には最高の日でしたね。
屋根工事は天気が回復次第行います、洋風住宅と違い和風住宅の外仕事は雨では行えないのです 訳はイロイロとあるのですが・・・・・
さて今回我々には珍しく11区画分譲地の一角に建設ということですが、残り10区画は大手ハウスメーカーと地元中堅建設会社だそうだ!!
地元大工は私どもだけとのこと あらら・・ がんばろう大工!!
でも大手に負けない、職人らしい木をふんだんに使った、休日に家族と共にリラックスできる、そんな住まいに仕上げたいと思います。
完成は11月を予定 コンパクトな和の住まい 今回もご期待下さい。


2008年08月20日

大きな木からたったこれだけ!!

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今週末、富士市内にて上棟を行う町屋風の家の材料加工も大詰めとなりました。
前回の平屋の家と同じ和風、見所はコンパクトな和とでもいいましょうか?
特に今回、木部全体の色に注目です!!
さて前回につづき丸みをおびた破風板(屋根の三角の所に付いている板)を用います。 
前回の経験を生かしよりシャープにそして今回の板金屋根にも違和感なく納まるラインに変更してみましたが、私にしか分からない世界ですが・・・・・
屋根に丸みを付ける際、瓦屋根と板金屋根だと同じ倍率のラインを出すと違和感がある、なぜか? 瓦は板金に比べ凸凹感や重量感がある、しかし板金屋根凸凹がなくすっきりとしている、 おっと!!より詳しく書きたいけど後は内緒です。
それぞれの特徴や特色をうまく利用した施工にしなければ?
丸みをつけるとその形に木取るにはチト 大変なんですこれがまた!!
丸みをつけずストレートに三角の部分を制作するなら写真右の板は3分の1の巾で用意すればよく 1本から3本も木取ることができます  なんとも経済的!!
ですが左のR形状の板は右の広い板から一枚しか取ることができません。
もちろん制作及び設置には数倍の時間が必要、でも出来上がった外観にはなんともいえない雰囲気 これがまたいいです 写真ではよく分からないですが、和の家
をつくる際には曲線も入れてみるのもいいですよ。
本日うちの事務部門に大きな転機が!!本日より事務系仕事のネットワークシステムが完成 事務、設計仕事がらくらく そしてより綺麗により早くイロイロなものが出せるようになりました。
やはりその道のプロは詳しかった、事務システムの問題がすべて解決
もっと早く行えばよかったです。
明日からは上棟の準備を現場にて行います。 
ムギワラ帽子も買ってきたし 暑さに負けずがんばるぞ!!


2008年08月15日

12年前の新築工事?

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お盆休みに昔の写真が出てきた、見ていると懐かしい作品が!!
12年前21歳のときに友達に頼まれ夜2週間かけて制作した犬小屋です。
ゴールデンリトリバーと犬が大きかったこともあり市販の犬小屋では狭いので、とのことで制作しました。
これ今思うとスゴイのだ!! お犬さまの小屋なのに在来と同じ組み方で作ってある
土台、柱、そして化粧桁、おまけに西日の日差しが熱いとの声にキリヨケ、極め付けに自家製サッシ!!なんと鴨居にミゾが掘ってあり引き違いで開け閉めも可能!!
引渡し後お友達より、犬が自分で窓開けて困る 鍵付く?とクレームが来た。 
かんべんしてよ!!
矢切には換気ができるように工夫!! いったいどんなお犬様が住まれるのか?
IMG_3541.JPG 正面からの写真はこんな感じ、しっかり塗装までしてあります。
いま考えると鼻のいい犬にはチト臭かったかも?
犬小屋だからといって手抜きはナシ 当時燃えに燃えていた私らしく、正面からみえるところに正面釘打ちなんて一切なし!! 
当時の私の組み物施工技術には現在の私も脱帽か? 
今世間ではこの犬小屋より手間かけられていない家はいくらでもあると思うな きっと!!!(笑い)
入り口には当時買ったばかりのパソコンで今の嫁さんが作った 祝新築!!ののしが!!
納品の時に散歩していた方におみこしですか?と言われた(笑い)
い・い・いい犬小屋ですと言うと笑われたのを思い出す。
さらに驚くことにこの犬小屋には友達からの要望で最大の秘密が!!
今考えると良くやったよ このスペースで!!
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最大の秘密がこちらです!!
なんと床が外れるのです、掃除が楽なようにの要望にこたえたのです。
しかも、ななな なんと床の中には水に強いサニーライト断熱材が!!
病気ですねもうここまでやると・・・・
床が冷えるとかわいそうが理由でしたが北極に行く犬がいるくらいだからいらなかったような気もしますが・・・・・
その当時、高気密高断熱の犬小屋日本第一号では?
とにかく凝りに凝っていた 確か入り口名前のラッキーの文字は彫り物としたような覚えが!!オレってアホか ほんと!!
屋根は木製で1番苦労した部分は、やはり各木(柱、桁)の寸法でした。
なにせすべてのパーツが専用パーツ!! 羽目板から構造材すべて1から造り
組んでいった。
外壁の羽目板が入り口や窓まわりの寸法に割り付けられてきれいに組まれているのに気が付きましたか? 病気ですねここまでやると 
普通の住宅のサイズをたとえば3分の1にしたから各材の寸面も3分の1にすればバランスが取れるかと思いましたが、いがいとそうはいかず よせばいいのに何回も寸法を作り直しました。
どういうわけかこの犬小屋人気が出て
その後2台制作、合計3台制作しました。
ちなみにお値段3万円!! もう二度と作れないスーパープライス!!
若いころだからできた、懐かしいお話でした。
※今頼まれてもとてもこの金額では作れないので 注文はご遠慮下さい。

2008年08月13日

盆休みですね

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今日からお盆休み17日までのお休みとなりました。
オールデン以来の大型連休、といっても後半は仕事してると思います。
みなさんのお出かけの予定は? しっかり予定して出かけないと意外とまとまらないものですよね? 予定はしっかりと!!
私は前半は恒例のトラックのワックスかけ2台とお墓参り、帰りにアノ伝説のうなぎ屋によります。 お土産は身延の身延まんじゅうでしょうか? これがまたうまい
塩が効いたこしあん!!絶品です 皆さんも身延駅前を通過の際は是非!!
平屋の家は外壁塗装が完成して、軒樋の工事中です。
外壁の色も中々いい色になりましたよ、どうでしょうか?
内装工事も左官が主、順調に進んでおります。
ではまた!!

2008年08月11日

手造りの下駄箱

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先日、平屋の家最後の大工工事になった下駄箱が完成しました。
和風の下駄箱造りのポイントは高さでしょうか?
できる限り玄関になじむように造りたい、しかし問題がある、見た目を取るか実用性をとるかだ!! 低く造ればそれだけ靴の収納力が減る、和の下駄箱はただでさえ収納力がない、近年の下駄箱の靴事情を考えると頭が痛い問題、
でも今回は玄関の右に人の入れる内玄関(ウォークイン下駄箱)とでもいいましょうか?を設けているので、収納力はバッチリ!!
ということで今回はいい味が出る少し低くめにと思いきやそうです!!式台が入っている、つまり玄関の中に段差が2段ある!!
だから低めに造れば玄関土間からの印象はいいが上の廊下からみると低すぎる問題が発生、さらに式台の上に下駄箱を乗せるのかそれとも上がりカマチの上に乗せるのかも問題、
私的にはカマチに乗せると式台との間が空くので嫌う、こんなことも考えて式台の上に乗せ双方の高さから見ても違和感がない高さに設置しました。
このほうが隙間なく納まりがいいような気がします。 どうでしょうか?
下駄箱内には施主様の用意した地松の板を3枚加工して置きました。
実は下駄箱の側面の板も地松です。
かなりの時間保管していたようですがひとカンナかければご覧のようないい色
松は耐久力があり強い証拠ですね。
次回は外部塗装工事完成をお伝えします。
最近は調べものや事務仕事、設計仕事がたまり夜ブログが書けませんが
4日には1度は書きますのでよろしくです。
ではまた次回!!

2008年08月07日

リビング工事

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先日リビングの収納を制作しました。
今回は秋田杉の一枚板を天板につかいました。
この木かなりの時間乾燥させておいたので 安心して設置できます。
和風住宅はこのような大きな木も使うこともあるので、昨日今日決まったからはじめようなんてことはある意味危険だと・・・ 時間がほしいです ここでは書きませんが訳もしっかりとあります。
最後に制作したのは造り付けの下駄箱、同じ秋田杉の板なのですがここでは木目の細かい物を用い、使う場所、使う場所に応じて板を選択。
今回下駄箱内の棚板は施主様が昔自分の山から切り出しておいた 地松の板を削り直し使用します。 
松の板は意外と流通していない貴重品!! 
自分の山の木を使用できるなんてうらやましいですね。
現在現場では外壁の塗装が明日終了予定!!
私もまだ見ていませんが、色合いが気になりますね。いい色になったでしょうか?

2008年08月01日

長押工事

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平屋の家の造作工事も98%完成といったところでしょうか?
思いおこせばこの6ヶ月半!!毎日通い完成もまじか・・・・涙が・・・うっうっうっ・・・
大体いつも最後になるのが和室の鴨居の上につく長押(なげし)工事、
今回は3部屋もあったので2日間と一苦労しました。
長押は前にも書きましたが意外と難しい作業、
長押は合板の上に木目を貼った合板長押と無垢材長押とあります 
合板長押の方は4方向の色合いはバッチリ合いますが、取り付けまでの裏加工が大変、合板は縦と横が交互に貼り付けてある関係上ばらつきやすい、長押材裏の加工にはチト向かないように思います 
無垢材はさすがに一枚板というだけあって加工しやすいしガッチリしている。
でも荒木の状態からからつくるので大変なこと、おまけに三角形だから加工しづらい、色あわせが難しい(半年もたてば同じ色になりますが) 今回は無垢材をチョイス!!
なかなかイイ仕上がりではないでしょうか?
長押も終わり残すはリビングの収納カウンターと下駄箱造りのみ
明日収納カウンターは終わる そして月曜日!!グランドフィナーレです 涙涙涙
同じ敷地内に仮住まいしている施主様も完成が楽しみなようです。
次回は収納カウンターの話です。


プロフィール

小笠原紀和 大工暦18年

小笠原紀和

2008年08月の記事

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