2007年08月10日

夏休みの工作に千鳥格子

IMG_2389.JPG 5年ほど前に建築の勉強を兼ねて職人さんの町飛騨高山に行ったのですが、地元のフリーペーパーを見ていると地元高山の地蔵堂の扉に用いられ、250年謎とされた千鳥格子の話が紹介されていました。
写真のものは私の自宅に子供の階段落下防止のために柵もかねて造ったものです。なぜこの格子が250年謎とされたか見てわかりますか? そうです竹や糸を編んだように組まれているのです。(縦の横は横、横の横は縦になっていますよね)普通の格子は縦なら縦、横は横と左右そろっています、これなら造るのには材料を半分づつ欠き込みはめ込めば簡単に作れます。
ではなぜ厚みも堅さもある木でこのようなことができるのでしょうか?
また昔朝廷?のある京都に飛騨の匠と言われる人をたくさん送り込み数々の有名な寺社建築を造った人たちでも解明できなかったこの千鳥格子、明治の初めある職人が仕方なく壊し判明されたそう、高山滞在中さんざん考えましたが答えは出ませんでした、帰り答えを見ましたが、文章では難しくしっくりこなかったので実際に製作しました、製作には髪の毛1本を3つくらいに割ったくらいの寸法調節が必要でした、ゆるくつくればガクガクになってしまい堅く造れば材は組めず割れてしまいます、実に90センチ四方の柵を作るのに2日半かかりました、又組み上げるのに1人では手の数がとても足りません、1人で苦労して組んでいるとうちの92歳のおばあちゃんがいい所にやってきたので手を借りました。(まさにバアさんの手も借りたい?忙しさでした)ちなみにこの柵、釘、ボンドなど一切使わず組み上げていますが、今でも子供が乗っていたずらしてもびくともしません、さて本題の造り方ですがヒントは(トンネル)です、材料に普段と違う欠きこみを入れます、こうして組はじめると2センチの厚みの材に1センチの材が入るトンネルができるのですが特別な欠きこみのおかげで1センチの高さのトンネルに2センチの厚みの材料が不思議と入っていきます。本当にびっくりしました、さすが飛騨の匠、これだけでも行った価値がありました。実際の住宅にも作りポイントで生かしたいのですがなにせこの小さいマスを組むのに2日以上ではナカナカ・・・・・1本置きに木の材種を変えればよりはっきりし目立つし梁天井のセンターに組めば引渡し後お客様が来たとき話の種、自慢話と考えるのですがその寸法を手加工で組めば製作6日?クラス・・・・
この千鳥格子、小学校の宿題の工作(今でのあるのな?)にどうでしょうか?ゆるくつくれば一度組みつけてもバラバラになるし誰でも製作できるので夏休みお父さんと作ってみては?
どうしてもわからない方は問い合わせのページから問い合わせ下さい メールにて
お知らせします 最後に高山は家具の町でもあります、曲げ木の技術を取り入れた家具は他にはない家具です 特にシラカワの家具は材質、デザイン、技術、特に虎斑が出ている木目は今まで見た家具の中で最高でした 値段は少し高いですが現地で買えば安くしてくれるよう こだわりの家のあとには是非お勧めです 

2007年08月09日

洋間造作はじまりました

IMG_2379.JPG今回は前回説明した洋間造作工事の続きを紹介します。写真上が窓まわりに施工する窓枠にケーシングという飾りをつけたもの、四角形の中にケーシングをまわすのでトメ部(45度の所)が一ミリでも長いと四角形のなかにケーシングが取り付けられないので、非常にシビアな仕事です。
手前が床と壁の境に施工する巾木という部材です、巾木の上部にミゾが掘ってあるのがわかりますか?そのミゾに釘を打ち床にしっかりと固定するのですがそのミゾに壁材が入るので、完成後には釘は一切見えなくなり仕上がりもきれい、とても利にかなった施工手順だとおもいます?
現在のほとんどが逆の作業工程、壁を先に施工し写真の巾木を3枚にスライスした薄い巾木を壁材施工後に貼り付け、側面の飾りミゾに釘を打っているようですが。この場合覗き込めば釘は目立ちます。この仕事の場合、裏に受け木を入れていないと、おもいっきり蹴ったら壁、巾木共に飛んでいきますので気をつけたい施工方法です。
大工の本当の手加工作業はカド部分も納めかたが違います、90度にまじあう所などは写真のように上部を45度に切り3分の2から下はホゾ加工し入れ込んであります。これならエアコンなどの急激な乾燥などによる材の動きにも対応でき、スキがトメ部(45度の所)以外出てきません。職人の知恵と経験が見える施工方法だと思います。この工法で納めたものは、ためしに思いっきり蹴ってみても外れることはありません。掃除機などをかけていると必ずぶつかる所なのでしっかりしているのがよくわかります。
マニアックな話でうまく説明できませんでしたがお分かりいただけたでしょうか?
次回は天井仕事を説明します お楽しみに!!

2007年08月03日

新しい従業員さん?

IMG_2227.JPG 昨日、お知らせした新型トラックが納車されました
最近のディーゼルは環境にやさしいとのこと、エンジンをかけても黒い煙など一切でません臭いもありません。音もほとんど気にならないレベル!!13年でトラックはここまで進んでいたのですね。これから毎日毎日材料を持って仕事に出かけます。
初荷はタモ材で造った窓枠、キズなど気にしていられないトラックとわかっていながらもついつい気を使ってしまいます。(もうひとつキズ有り)初荷となった窓枠納めは明日から始まります、ケーシングと言う飾りを窓枠の中にまわし二重に施工するのでとても大変な作業、木のクセ、性格も見抜きながらなので、洋間造作仕事の中では一番シビアな作業かな? 時間も手間もかかりますが、がんばります、作業の様子は来週お知らせします。

2007年08月02日

キャンターお疲れ様でした

IMG_2225.JPG 13年間毎日毎日、仕事に出かけたトラックのキャンターガッツ!!このたびフライホイールの故障によりエンジン始動ができなくなり、イヨイヨ引退となりました。話題の三菱トラックでしたが故障など一切なく元気に走ってくれました。現場が地元ばかりということで13年で85500㌔と過去最小走行でした。新車当時トラックにエアコン、パワーウインドー、ビニールでないシートに感動して夜こっそりドライブしたのを思い出します。
ここ一週間は、病状が悪化!!もしもに備え、人生初めての押しがけも経験し、大変勉強になりました。みなさんはエンジンの押しがけを経験したことがありますか?意外とタイミングが難しいです。
その後作業場に置いていましたが、本日朝、新型が到着し引き取りの為、ラストラン!!だめもとでエンジン始動にチャレンジ!!なな、なんと一発でエンジン始動!!まだイケソウでしたが、その後引き取られていきました。すこし寂しいですが、修理されまた日本で活躍するとのことなので良かったです。新型は排気もきれいで環境にやさしいディーゼル。新型はまたお知らせします。

プロフィール

小笠原紀和 大工暦18年

小笠原紀和

2007年08月の記事

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