小笠原建築では木材の乾燥にも力を入れています。
材木屋さんや産地の製材所から仕入れた材料は、数年の天然自然乾燥を経てお客様の住まいへご提供されています。
無垢の木を使う会社として、木の収縮や木の性格を理解しているからこそ柱や梁に用いる化粧材料は、天然自然乾燥にこだわります。
よく耳にする地元の木を使うといい!!という言葉が独り歩きしているようですがこれは本当だろうか?
また「お客様の材料は乾燥しているのか?」の質問に今はどこの材木屋にも乾燥材しか置いていないから大丈夫という返事を耳にします。
これは私には誰でも言える間違った素人営業トークにしか聞こえません。
同じ市内にて伐採された木だから本当に地元に適した材料なのでしょうか?
みなさんは実際に地元の木が伐採されている現場に行ったことがあるでしょうか?
地元とは思えない山の中の林道を30分ほど、さらに山の中に入った山奥です。
昼夜の温度差の激しさ、霧などが出れば1センチ先も確認できないほどの多湿で、ジメジメしてコケもたくさん生えています。
これが同じ平地、みなさんの住む地元の環境と同じと果たして言えるのか?
だいぶ疑問に感じます。
日本には、とても良い安定した木が取れる環境で優れた場所が沢山あります。
確かに産地の木は動きが少なく安定はしますが、どこの産地の木であろうと人の住む平地に材料を降ろし、その場所の気候に数年合わせ馴染ませてから使うことが一番大事なことだと大工の経験上私は知っています。
このような環境で数年乾かした材料は、後にお客様のライフスタイル(エアコンなど)の環境に良く馴染むから木の弱点である収縮が極力抑えられ、数年経っても木の動きが少なく安定した無垢の木の家に仕上がるのです。
地元の木を使うことは建築の流れの中では一利ありますが、私が常に木に接してきた経験上、やはり産地の安定した良い木を良く乾かし、住まいの環境に近い状態にした後に馴染ましてから使う。これ以上ない結論に達しております。