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木曽ひのきの旅③

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こんにちは!!
正月休みもあっという間に終わりそうです。
昨日3日はブログ後作業所内で一日かけて正月恒例の大工道具のノミを21本研ぎなおしました。
中々時間があるときでないと道具直しはできませんからいつも落ち着くこの時期に行います。
現場で使うと意外とノミの刃先の適正角度27度~30度が32度くらいまで急刃に研いでしまっていました。
気をつけて研いでいるつもりでも?変わっていってしまう物です・・・
今回はすべて27度に研ぎなおし・・・21本はさすがに疲れました 
休み明けの私の手道具は切れますよ!!刃先を触ると・・・怖いくらい切れました・・
大工たるものこうでなくては困りますよね?
大工の若い衆?こんな初老10年目(40歳)の棟梁でもいまだに休みに
ノミやカンナ研ぐのだよ?
研いでますか~ぁ?
小言がうるさいのも初老のせいでしょうか?
さて本題です!!
今回の木曽旅で私が一番見たかったのが今回視察した製材所です。
ここでは以前書きましたが住宅で使われる柱(大きく分けて2種類とします)
ひとつは和室など柱自体が部屋側に出るといいますか見える化粧柱(役柱といます)もう一つが
洋室などの壁の中に入ってしまう特1柱があります。
特1柱は世の中で一番使用されている流通が多い柱であります。
化粧で見える役柱も木曽産ならいいのですがさすがに日本一のひのきですから
ものすごい高い
伊勢神宮の式年行事(木曽産です)じゃないのだから個人宅には1本位がいいところ? 
無理ですね?正直・・・
しかし特1柱なら木曽ひのきでもなんとかなるのでは?と思ったのがはじまりです
行動派棟梁!!口は悪いが仕事はまじめ!!行って来た!!
以前からこの製材所の柱はたまに手に入れば使っていましたがその製造過程を見たくて地元材木屋さんと名古屋の大変大きな材木屋さん経由で話を通して頂きまして
特別に見学が実現しました。
ついに日本一のひのき ひのきの王様の製材所に伺います。
通常はあまり入れません!!今回は特別です 実は緊張してました
写真は、ありましたありました木曽ひのきの原木が・・・
赤みも強くこの細かい年輪を見てください!!
地元材で2番玉でこんな良い木があるのでしょうか?
これが普通に使う特1柱になる原木ですよ!!
あり得ない大人の木
ココでなんと!!社長さん自ら会社内を案内してくださることに!!
ありがとうございます
まず社長さんの話では木曽ひのきはほぼすべてが国有林であり入札にて仕入れるそうだ
豊臣秀吉の時代より木曽ひのきはひのき1本クビひとつ!!と伐採が厳しく制限されたから今にいたること!!
木曽は秋田杉と違い数はあるのです
又現在樹齢300年強の木はあるがそれ以上の木は大昔は存在したが今ほとんどないということ
300年後に昔のように600年生の木を残すため官民共同で林業に取り組んでいることなど話がありました。
そして木曽ひのきがなぜ評価されるのか?
良いひのきができるにはまず土地が痩せていること、日光がほとんどあたらない急斜面であり
成長が極めて遅いこと1年で1mmか2mmしか大きくならないこと
昼と夜の温度差があること、人でいう徹底的に苦労した人生とでもいいましょうか?
さらに!!
昨年噴火した御嶽山の火山灰の恩恵もあるとのことでした。
木曽では山に植えてから80年から120年ではじめて間伐をおこなうこと
普通の地域では太陽がよくあたるから成長が早い40年もすれば間伐してしまう
実に2倍から3倍の年数が
木曽ひのきには必要とされる!!
わかりますか?みなさん!!この価値?と時間!!!
しかしですね!
立ち木というのは長さが15m~20mはありますよね?
根から3m~4mが節が少なく化粧用でありこれを1番玉その上の3mを2番玉3番玉と言います
特一を作るのはこの2番~3番玉だそうだ
それが上の写真の物です
こんなに良くて間伐材ってすごくないですか?
ついてきてますか?みんなー?
今回もマニアックだ!!
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ココでは国から山で伐採の事業も委託され山から下ろしたものを今度は入札で落札してがんばって製材しているそうです
物凄い良い木はヘリコプターで山から出すそうで3トンくらいならヘリコプターで上がるそうです
価値のあるものはヘリです 高いわけだ!!
こんな最高のひのきで普通に家を建てられたら長持ちすることはまちがいありません
私の言いたいのはココであります 強い家なのです
耐震にこだわるならこんな基本的なことにもこだわろう みなさん!!
あえて見えなくなってしまう部分にこれを使えば例えば
壁の中が夏場熱くなり膨張で木が動いたときなど
木が若くないから安定するのです
数々の木と仕上がりの安定がはかれるのです!!  
重要ですよ!!
今の世の中の無垢の家 希望のお客様には(木を知らんから)
わかります?言っていることが?(えっ?よくわからん?)
今回はもうこういう方はほっときますね・・・
大人なんです!!木曽ひのきは!!
大人の落ち着きが木造には必要なのです今!!
しかし残念なのは世の中にそんなに出回らないという事実
社長さんの話では年間20万本の原木が山から国の計画伐採として下ろされる
1本で3本取れるとして倒される立ち木は6万本位か?
事業を大きくしたいと願っても国有林ですから本数を増やすことはできない
私たちの役目は先ほどの300年先までこの山を守り管理することであると・・・
ですから年間がんばっても20万本なのだ しかないのだ!!
20万本あるじゃん!!といいましてもね?
全国で建てられる木造住宅約80万棟です
一軒に付き100本くらい使います とどうなります?
みなさん!!そうなんです!!
80万件の家の中でたった2000件分しか世に流れてこないのです!!
しかし残念ながら半分の1000件分は契約している会社が買っていくそうで
残りはなんと計算では1000棟分しかないのですが全てが柱の太さがあるわけではないし
大きな家は200本も使います
恐らく年間700棟分くらいでしょうか
少ないねー!!木曽ひのきの柱・・・
価値が分って頂いたでしょうか?
800000分の1700なのだ?
いいものはやはり 極端に少ないものだ
だから大工でも木曽ひのきの特1があることを知っている方も少ない
よく木曽のひのきは見た目柔らかいので大工によっては強度が弱いと見た目で言う方が
いる 社長さんの話でこれは違うと!!きっぱり!!
お宅らの住まいのひのきと木曽のひのきを体力測定をしたら1.5倍いや2倍の強度がある!!
と自信たっぷり
以前工業試験場に持ち込み比べてみたそうだ
年輪が細かいから硬い冬目の数が多いのだ 2倍から3倍だもんね!!
これが本当の100年以上もつ強い家なのだ!!
強いのは当たり前体操だ・・・あたりまえ♪・・・あたりまえ♪ あたりまえたいそ・・・・♪ぉぉぉ・・・
棟梁まじめにやれ!!(だってこんな長いブログなんておもろくなくちゃ 読まないよ普通・・・)
ちなみにこの製材所では日本に1台しかないというオート化された製材機がありました
選別から製材、そして製材した半端もひとりのオペさんで野地板にもう一度製材され
残りは勝手に粉砕され燃料リサイクルに回るという25人かかっていたシステムを1人で行うなど
人件費を抑えられるからこそ木曽ひのきの特1柱なんてのが手軽に実現できるそうだ
どうりで・・・てごろな訳だ・・・
さすがに地元の製材設備とはちがう さすが日本一の場所!!
その後こだわりの乾燥方法をへて仕上げにまわり強度表記と乾燥検査となる
実際強度表示と乾燥検査の行い方見たことある人はそんなにいないのでは?
こんなことも勉強になりました。
今後弊社では出来る限りこの製材所の木曽ひのきの特1柱を標準とできる体制としたい
世に流れてくるルートも細く限られた所に卸しているみたいで
中々数集めるのに大変なことではありますが皆さまの為にがんばります
真似るなよ?地元の同業者!! まねごとはやめよう
ちなみに番外編
丸太に付いているひのきの皮はあっという間に粉砕され福島県で除染の作業にも使われているそうです
こちらでも木を無駄にすることなく半端でもゴミでもリサイクルに回したり活用するシステムが確立されていました。
捨てるものは無いのだ
今回製材の社長様には突然で無理な見学のお願いを聞いていただきまことは
まことに申し訳ありませんでした。
社長さんの熱心で魅力的なお話の数々で写真を撮ることさえもほとんど忘れるほど熱心なお話でありました。
お世話になりました。
本当にありがとうございました。
また紹介して下さいました皆さまにもお世話になりました
その後棟梁親子は木曽ひのきが実際に生えている赤沢自然休憩林へ向かい
木曽ひのきの山を見てきました。
木曽ひのきの山までは きのこの山のその奥のタケノコの里のその奥と書きましたが
そんなもんではない とんでもなく山の中だったことだけ書いて
次回は木曽ひのきの旅④ 感動の最終回です
おたのしみに!!
また次回!!

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